『落ち着いたか?』

『うん』

『そうか。俺はアルフ。ここの看守さ』

『あたし ショコラ』

『何で捕まったのか 話してくれないか?』

『中に咲いてた花をとろうとしたら捕まっちゃった』



沈黙。アルフが言った。

『・・・たったそれだけのことで?』

ショコラが頷いた。

アルフは溜息をついた。

『まぁ、何か勘違いされたんだろし。明日になったら出られるさ』

そういってアルフはショコラをみた。

ショコラはまた泣き出しそうな顔をしていた。

慌ててアルフが言った。

『あ 安心しろって。絶対明日には出られるからさ!
それに今日は俺 すぐそこに居るから 何かあったら言えよ』

『・・・うん チクワありがと』

『い 良いって。なはは』(チクワかよ!)

アルフが笑うとショコラも笑った。

『ねぇ アルフ。ここの牢には私だけ?』

『他の人は別の牢なんだ。前 居たんだけど 死刑に・・・・あっ』


次の日 アルフはショコラが入った牢の前で目が覚めた。

『・・・うぅ さむ・・・いけねぇ 寝ちまった・・・』

アルフは牢の中を見た。

ショコラはアルフの傍で蹲って寝ていた。

『・・・・』

『何してんの?そんなところで』

『うわっ ニム!?』

急に声をかけられて吃驚するアルフ。

その表情を見てニムは笑った。

『そんなに驚くこと無いだろぉ。』

『す すまねぇ。なははは』

アルフは笑い返した。

暫く沈黙が続く。

っとアルフがニムに言った。

『もしかして 交代の時間か?』

『あぁ そうだよ。でもお前寝てたなぁ〜。交代の必要ないね♪』

『いや待った! 少しの間だけで良いから交代して』

そう言ってアルフは走っていった。

ニムはあきれた顔をして言った。

『10分だけだぞー』


アルフはチクワ屋の店の前で突っ立っていた。

店には文字の書かれた気の板が掛けられていた

(閉店しました。)

『・・・昨日の夜に出発したんだ・・・』

ぼぉーっと木の板を見ていた。

傍にはチクワが4本とアルフ宛の手紙が入った袋が吊るされていた。

アルフはチクワを銜えながら手紙を読んでいた。

(その4本は今までのお礼だ 受け取れよ)

『・・・おじさん ちゃんと受け取ったよ。今、どの辺に居るのかな・・・』

と手紙を裏返した。

(大体 半分あたりだな)

『何がだぁー』


アルフは一本目のチクワを味わいながら牢に続く薄暗い道を進んでいた。

と牢のほうからローレンがきた。

『ローレン 牢に何か用でもあったのか?』

『お前に言う必要は無い』

ローレンはアルフを睨んでそのまま行ってしまった。

何がなんだかわからず アルフは一本目のチクワを味わいながら

ショコラの居る牢に向かおうとしたら

『おーい!アルフー!!』

ニムがアルフの名前を呼びながら走ってきた。

アルフは小さく手を振る。

アルフはチクワを銜えながらニムに聞いた。

『ローレンが 着てた みたい だけど 何か あった?』

『頼むから食べながら話すのやめてくれよう』

そういってニムはポケットから紙を取り出してアルフに渡した。

『ローレンさんがアルフにって。この子の刑が決まったんだ』

『刑・・・ってこの子はただ花を取ろうとしただけだろ。』

アルフは一本目を全て口にし、紙を受け取った。

『その子はそういっているけどね』

アルフはチクワの入った袋をニムに渡して、

紙に書かれている文字を見た。

『ローレン 性格は変わったけど、字だけは昔のままだな』

『字のことは良いから内容を読めよ〜』

面倒くさそうな顔をしながらアルフは読んだ。

(・・・・〜王の暗殺未遂により 死刑判決 2日後に〜・・・)


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