「お嬢さん!椅子が汚れていますよ!」
私の目の前に現れたのは、とても長細い紳士だった。
「このハンカチを使いなさい!」
そう言って紳士は自分の身長の倍はあると思われる布をベンチの上に敷いて…。
いや、被せた。だね。もうなんだよこのおじさんは。
「さぁっ!これで御洋服が汚れることはない!座りたまえ!」
と言われても座る気が起きない。
視線をベンチに向けている間にその紳士は何処かへ消えてしまった。
あの紳士は一体何者なのだろうか?

三日後。
あの紳士は近所の八百屋でネギを必死に値切る姿があった。
まぁ、ほんとどうでも良いんですけどね。
(2006.4/23 更新)


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